小学校、登校初日の夢の話
小学校、初日前日の事である。
当時、家の事情で私は弟二人と、親せきの家に泊まっていた。
叔母さんが、「明日は一年生初日だから、早めに寝ようね・・・」
私たちはいつもより早く寝床についた。まだ7時40分だったが、疲れていたので早く眠りについた。
その夜、本当に怖い夢を見ることになる。私のこれからの人生を象徴ともいえる夢だった・・・。
夢の中で、私は教室の天井から見下ろすように、浮かんでいた。
下を見ると、給食の時間の様子であった。皆、姿勢よくきっちり席に腰かけて、両手を膝の上に置いていた。机の上には給食があった。パンと牛乳、大皿に、おかずが(中身は憶えていない)皆の机に置いてあった。
生徒たちは、皆、大人しく、じっとしている、その中で、ただ一人私だけが・・・・
怖くて、緊張してキョロキョロして落ち着かない様子でいるのが見えた。このもう一人の自分の気持ちが、天井に浮いているもう一人の自分にも、強く伝わってきた。
先生の「始めっ!!」の合図で皆、一斉に給食を食べ始めた・・・・
恐ろしかったのは、皆が同じものを、口に運んでいるのだ。一斉に牛乳に手を出し、
一斉にパンを食べるという風に・・・
やがて、先生の「終わり!!」と言う合図とともに、皆一斉に「ハイッ!!」と大声を発し、素早く両手を膝に戻し、姿勢を正した。みんなは綺麗に食べ終えていた。
しかし私は、まだパンをくわえながら、周囲をキョロキョロしていた・・・
天井から、その様子を見ながら私は、怖くなった・・・そこで目が覚めた。
登校初日から、周囲に溶け込めず苛めを受けた・・・。給食の時間では、事もあろうに牛乳をこぼしてしまった・・・。周囲に溶け込めず、友達が少ない。忘れ物は多い、整理整頓は下手、勉強、体育もダメ。
常識がないと言われ・・・・
やがて社会人になって、一念発起して看護師を目指す。看護学校では実習仲間と上手くいかず、鬱になり、一年休学。
復帰して残りの実習に新しいクラスメートと参加する。しかしこの時、以前から私は自分は発達障害?と疑っていた。思い切って受診。広汎性発達障害、自閉症スペクトラムとの事。一部の学生は、迷惑がった。
でも、私は元々、周囲と溶け込めていなかったし、あらためて煙たがられても、何とも別に人間関係に変化があったわけではなかった。
自分が周囲と違う理由が解った。肩の荷が一気に無くなったような・・・・
不思議な安心感があった・・・・
それから精神病院に就職。最初は信じてくれなかった。院長があらためて診断するようにと再診。
全く同じ診断だった。
今、思えば、小学校入学前に見た夢は、自分の今後の人生を象徴していたと改めて思う。
これから仕事で障害のせいで看護師が出来ないようなことになったとしても、その時はその時。
別の道もあるだろう・・・・
幸い、取り返しのつかない失敗は、今のところ無い。
今後の事は神様に全て、お任せしようと思っている。